photo 矢野紀行(Nacasa & Partners Inc.,)
1/4オフィス
1/4 office
大分県大分市
2005.08~
2006.03
オフィスルーム改装
設計監理:塩塚隆生アトリエ
施工:市原建設
市街地にたつオフィスビル内の1室の改装計画。
築40年、エレベーター無しの4階、115㎡という床面積では、ここ大分市では貸し事務所としてのニーズには合わ ず、用途を含めて何らかの提案をしてほしいというものだった。
そこで、明確な用途を提示するというよりは、この部屋の特徴である3.3Mの天井高さ、北・東・南 の3面が外部に面した窓を持っていることを利用して、室の骨格自体が使われ方をイ メージさせるような提案をしたいと考えた。まずその骨格を変えるために部屋全体を いくつかに分割する。どの部屋もきちんと窓を有し、ある程度各室が同じ面積にしよ うとすると、全体を4つに分割するとうまくいった。
その結果、窓の位置・室面積の関係から、高さは一定だがそれぞれ少々歪なかたちの平面形が現れてきた。どの部屋 も、部屋の巾よりも高さ寸法の方が大きく、高い壁に囲まれた窓に向かって末広がり の部屋、窓に沿って張り付いている様な部屋、さらに窓の方角や見える風景などが関 係して、それぞれが異なる雰囲気を持った部屋になっている。既存の白いコンクリー トの壁はそのままマットな白に塗装し、新規の壁にはシルバー塗装を施した。
鈍く光るシルバー塗装の壁には、床の色や窓からの明かり・風景など、さらに入居時には持 ち込まれた家具や人がそこに映り込んで部屋の個性となっていく。