建築展「1/30の風景」

photo 矢野紀行 (Nacasa & Partners Inc.,)

塩塚隆生建築展
「1/30の風景」

Architectural exhibition
“Scenery of 1/30”

大分市アートプラザ/アートホール
2008.04.06-2008.04.13
会場構成:塩塚隆生アトリエ

 大分市アートプラザ(旧県立図書館・磯崎新氏設計)・アートホールでの、建築展の計画。22Mx24M、520㎡の展示室に、シオツカアトリエの21個のプロジェクト、その1/30の模型を並べて架空の街並みをつくろうとした。

 この展示室の特徴は、壁3面がガラスで屋外の風景がのぞめることにある。この外の風景と展示室・展示物がひとつながりになるその魅力を引き出す展示にしたいと思っていた。そこで、可動パネルや展示台など外の風景を遮るものを設けない展示方法として、床に直接模型を置いて展示室の床を地盤面ととらえ、展示室全体に架空の街並みをつくることにした。模型は、展示室(=現実)のオリエンテーションに合わせて配置し、各プロジェクトの敷地に実際に接する道路をそのまま引き伸ばしていくことで街並みをつくることにした。それぞれの建物は、延長した道路がうまくつながってひとつの街並みができるように、また来観者がストレス無く動いて観てまわれる適度な余白ができるような配置にしていった。

 展示室全体を歩いてまわって、アートギャラリーの空間自体を体験し、屋外の現実の風景と1/30の模型でつくる架空の風景とを重ね合わせて体験する。身体感覚と意識が、乖離したり合わさったりする中で、少しだけ日常の空間体験から離れて、わたしたちがつくる建物の雰囲気や新たな見え方を感じてもらいたいと思った。