photo 久保貴史(ELEMENT)
治具
Jig
共同設計者:松岡勇樹
場所:大分市美術館
設計:2018.02~2018.10
会期:2018.11
構造:MDF+杉
製作:国東時間
設計:塩塚隆生
松岡勇樹(国東時間)
企画:木村秀和
アドバイザー:二宮圭一
大分県にある自閉症のひとたちのための施設「めぶき園」のアート課に所属する佐藤省吾さん。彼がつくるダンボールの制作物でこどもたちが遊ぶための遊具を、国東時間の松岡勇樹氏と共同で考えたプロジェクト。ここでは、ダンボールの制作物で遊具をつくるのではなく、制作物自体がそのままで遊具となる「しくみ」をつくることをテーマに、制作物をいかようにもつなぐことができる「冶具」を開発した。冶具は、ダンボールを傷つけることなく、またこどもたちが簡単にかつ安全に遊びながら、さまざまにかたちを展開できる必要があった。冶具は木製のピンチをヒントに、6mm厚のMDFの両面に県産の杉材を張り付けた材料をレーザーで切り出したものである。金属等の異種素材を使わず単一の素材で機能するよう、MDF自体のしなりを利用してダンボールを差し込むだけで固定できる形状を探った。2枚のダンボールをつなげるために両端に挟み込む部分を設け、自由度を広げるために180°、135°、90°の3種類の角度のパターンを設けた。松岡氏曰く「冶具は接続詞のようなもので、主役は主語であり動詞である省吾さんの制作物であるが、接続詞によって意味(かたち)は如何様にもつくれる」。