PLATFORM01・02

photo 矢野紀行 (Nacasa & Partners Inc.,)

PLATFORM01
PLATFORM02

大分県別府市
室内改装

<platform01>
設計:2008.07-08
施工:2008.08
施工:01・菅建材工業

<platform02>
設計:2008.09-10
施工:2008.10
施工:02・永野工務店

プロデュース:
BEPPU PROJECT:
大分県別府市を
活動拠点とするアートNPO

PLATFORM01・02は、 大分県別府市を活動拠点とするアートNPO「BEPPU PROJECT」が、別府の様々な場所で開催する複合型国際芸術フェスティバルの会場のひとつとしてつくられた。

<星座型・面的アートコンプレックス構想>
この星座型・面的アートコンプレックス構想は、中心街に点在する町湯文化を下敷きにしている。このエリアに点在する空き店舗をリノベーションによって再利用する。リノベーションによって生まれた様々なアート・スペース、それらを星座のようにつなげ、その間に福祉の就労支援施設や若手の起業家が出店できるスペースと仕組みを確立させ、単なる店舗の集積からサービス産業や交流産業が集中するような展開を目指す。そのためにはエリア全体を周遊させる工夫が必要という観点から、面的であり中心街の徒歩圏内に点在する分館型のアートセンター構想を計画した。 このアート・センターは収蔵品を持たず、外部有識者による諮問機関と連動し選ばれた内外の芸術家や地域の工芸家が一定期間滞在し制作に従事するアーティスト・イン・レジデンス事業や、単館上映が可能な映像ラボ、録音スタジオ付の音楽や実験的ダンス発表ができる小劇場など、常にこのエリアが流動的に動く仕掛けを持つようなアート・コンプレックスとなる。 (以上、BEPPU PROJECT「星座型・面的アートコンプレックス構想」より)

<platform01>
PLATFORM01は、かつて土産物屋であった店舗を、ダンスや展示のためのスペースとして利用できるよう改装したものである。昭和30年代につくられた店内は、木製の立派なショーケースと、広さに対して多すぎる程の照明器具が施されているのが特徴だった。そこで、造り付けのショーケースを含め、壁・天井・看板・外壁を既存の状態のまま銀色で塗装し、床には銀色のシートを張った。また照明器具は、利用形態によって使い分けができるように調整して既存のものを全て残し、蛍光灯には4色のアクリルカバーを不規則に取り付けている。店舗のかつての痕跡を銀色の塗装でインテリアとして一度定着させ、その痕跡の上で新たな活動が行われる。銀色は、活動を写し込んで空間の表情を変化させ、同時に、ネオンのような色合いの照明と相まって別府が持っている妖しさが残るような計画にした。

<platform02>
PLATFORM02は、昭和20年代に建てられ、店舗として使われてきた建物の一部をギャラリー・映像ラボとして使えるように改装したものである。1階と2階に分かれていた店内を、高さのある展示物への対応、2階にしかない開口からの採光、展示物を多角的に見せるといった観点から、2階の床を無くして上下階がひとつづきの空間になるようにした。残された梁を含む天井内で見えなかった部分には銀色の塗装を施し、その他の内装は白色に塗装した。銀色の塗装は、梁の表面の傷や模様を浮かび上がらせ、この建物の時間の経過を露わにしている。商店街に面した1階のファサードにはチャコールグレーのフレームを設け、商店街を通る人が室内をのぞき見ることが展示へのに参加になるような設えとした。